グラデーションの緞通

2014.11.28

色あざやかなグラデーション配色の緞通(カーペット)に見ほれてしまいました。グラデーション配色とは、色相や、明度、彩度が、徐々に変化する配色を言いますが、この緞通の生産社の方は、このカーペットを「ボカシ」柄と説明してくれました。グラデーションは英語表現ですが、そういえば、祖母が着物や手ぬぐいに施されたグラデーションの色づかいをボカシと言っていたのを思い出しました。最近、新作ファブリックや家具にもグラデーションの潮流が来ています。

 

ウィリアムモリスの藍色

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 インテリアのファブリックは数年前からデザイタルプリントが潮流ですが、このファブリックは伝統的な手法で染められているサンダーソン社のウィリアムモリスデザインのものです。ここで使われているファブリックの地の色はモリスが実験を重ねて生み出したと言われるインディゴ(インド藍)色。このインディゴの染料が、素材の内層に反射し落ち着いた深い雰囲気を醸し出しています。このファブリックをつかった窓のシェードが、この一面をパッと明るく彩っています。

落ち葉のグラデーション

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早朝、朝露をおびキラキラと輝く落ち葉を見つけました。紅葉した落ち葉は、赤から橙、黄色と自然が生んだグラデーションカラーです。数枚、持ち帰って測色してみると、鮮やかな赤い葉:5R4/12、明るい橙色の葉:510R5/10、くすんだ橙の葉:7.5YR5/6、鮮やかな黄色の葉:2.5Y8/12と色味が規則的に変化しています。自然が生み出した配色の美しさに思わず見とれる一瞬でした。

測色:視感測色 / マンセル値:近似値

京都御所の丹色

京都御所

先日、一般公開された京都御所に行ってきました。秋晴れの朝、門をくぐりまず御車寄の豪華さに圧倒され、そして次の目に飛び込んだのは、紫辰殿のまわりを囲む門の色鮮やかな橙色です。この色は、日本古来の神社や社殿、鳥居に用いられてきた、赤土や黄土を焼いて赤くした顔料の丹色(にいろ)です。一緒に見学していた友人にあきれながら、ここでも測色を試みました。8.75YR5/12(マンセル近似値)鮮やかな赤みがかったの橙色です。深く渋い色の多い社殿の中で、ひと際目をひく鮮やかな色で、広い京都御所の中で華やかな存在感を感じさせる色です。

測色方法:視感測色

木の色

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表参道から少し入った所にある個性的なフォルムがひと際目立つ台湾のパイナップルケーキショップは、日本の木造建築に伝わる「木組み」のひとつ地獄組みを用いて組み上げられている。コンクリートの建物が多い都心の中で、木が持っている風合い質感の魅力とフォルムの個性が見る人にインパクトを感じさせる。木の色は一概にこの色と言い切れないが(樹種や木取りの部分によって色が異なる)2.5YR〜10YR色相が多い。ここで使われている、明るい木肌色は、7.5YR8/3~6/3・10YR8/2〜10YR7/3(近似値)軽やかな暖かみを感じさせている。パイナップルケーキの店:サニーヒルズ:Sunny Hills at Minami-Aoyama

参考文献:建築設計資料修正1環境/1978

測色方法:視感測色