カッターマットの緑色

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紙をカットする時に下敷きにするカッターマットの多くは暗い緑色です。。どこか昭和の雰囲気を感じさせるカッターマットに懐かしさを覚える人も多いと思います。この「ごく暗い緑色」の慣用色名はボトルグリーン。今日は、そのカッターマットにプリントしたモノを見つけました。渋谷ヒカリエの8Fで、2月2日まで、行われているギャラリー展示「モノプリ実験室」の展示説明パネルです。色々なモノに印刷ができるプリンター技術を使ったトライアル展示で、デザイナーが試行錯誤しながら、商品を完成させていく開発プロセスも紹介されているユニークな展示です。

パン工房の山吹色の扉

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「パン工房併設住宅」を設計した建築家の遠藤現さんからオープンハウスのお招きを頂いた。住宅のリビング・ダイニングには、大きな吹き抜けがあり実際よりも広く感じられる。そして勾配のついた天井とシンプルな間取りが心地良い。また壁に付けられた鮮やかな山吹色の2枚の扉が、魅力的なアクセントになっている。山吹色は暖色の鮮やかな色なので、交感神経を刺激して気分を高揚感させる色。そしてビビッドカラーですが、パンと同じ色相なので馴染みやすく、居心地を高める色です。

バゲットの色

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フランスのパンのバゲットは、外側のパリパリとした部分はキツネ色、そして内側のふわふわとした部分は僅かに黄みがかったウォームホワイトです。焼きたては切った時にふわっとした良い香りがして格別。きっと、画家のレオナール・フジタも、モディリアーニも、シャガールもお日様のもとで、夜は電灯のもとで食べていたと思う。食品は、光や背景色によって、美味しそうにも、そうでなくも見えますが、最近はLED照明が大きく進化していて、パンの色を特別美味しく見せる色温度の照明が出ています。

仏国旗のトリコロールカラー

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フランスで、1週間前に新聞社襲撃と一連のテロ事件が起こった。パリには友人が居ることもあり不安な日々が続いていた。フランスは自由、平等、博愛の精神から、仏国旗はトリコロールカラー(Tricolore:トリコロール:三色の意)と呼ばれている。青が自由、白が平等、赤が博愛を表すと言われている。しかしこれは俗説で、正式には青と赤はフランス革命軍の帽子に付けられていた色、白はブルボン王朝の紋章百合の花を意味すると言う説もある。どちらの説が正しいか分からないが、テロ事件の一日も早い終息が望まれる。

白のシンフォニー

イギリスの画家ジェームス・マクニール・ホイッスラーが描いた、曲名のような油絵のタイトルに興味を惹かれた。「音楽が音の詩であるように、絵画は視覚の詩である」と伝え、色彩と形のハーモニーに美を見いだそうとしたと聞く。

ホイッスラーの他に、白にこだわった事で有名な画家に、エコール・ド・パリを代表する画家:藤田嗣治(レオナール・フジタ)がいる。藤田嗣治の描く独特の肌色の色・質感は「乳白色の白」と言われている。白は温かを感じさせるウォームホワイトと涼しさを感じさせるクールホワイトがあるが、二人の画家の絵画からはどちらも温かさを感じる。

 

 

国立西洋美術館新館のグリーンの外壁

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上野の森公園にある国立西洋美術館本館は、ル・コルビジェが設計し、現在ユネスコの世界遺産に推薦されている最中ですが、この横の新館は、前回の図書館と同じ前川國男建築事務所が、設計した魅力的な建物。外壁の素材は陶製の渋いライトグリーン。公園の木々にとけ込むような色ですが、日差しがあたると光が乱反射して釉薬の濃淡と小さな凹凸が際立って見えます。

国会図書館新館のブルーの外壁

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国会図書館に資料を調べに出かけ新館の外壁の色をチェック。本館は渋い焦げ茶色ですが、新館の外壁は、シックなサックスブルー:くすんだ青色で、爽やかな都会的な印象です。本館も新館も前川國男建築事務所の設計と伺い、ふと同じ前川氏が昭和50年代に設計された国立西洋美術館の新館の外壁の色を確かめると渋いライトグリーン:くすんだ黄緑色です。コンクリートとタイルとの組み合わせは同じですが、タイルの色味が違うと、建物の印象がまったく違います美術館の新館は、上野の森にとけ込むような印象です。

柊南天の黄色

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葉っぱにとげとげがありチクチクする柊南天の花が、色鮮やかに咲き始めました。花の無い時期は、目立たないのですが、黄色小さな花が房状に上に向かって咲いていると、かなり遠くからも目立ちます。黄色は他の色相と比べて彩度が高い色なので目立つ色なのです。あそこにも、ここにも、沢山のお宅が庭木として植えてあることが、この時期になると分かります。柊南天は邪気を払うと伝えられているので、家の庭木に使われることが多いらしい。

屋根の檜皮色

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元旦の朝「京都御所-秘められた千年の美」と言う番組を見ていたら、御所の屋根が、檜の皮で葺き替えられて様が紹介されていた。檜の皮をはぐ匠によって日本全国から集められた檜の皮を、檜皮師が、竹の釘で留め檜皮屋根が葺かれていく様子に圧倒されてしまい脳裏を離れない。檜皮色は、神社仏閣で、今も見る事が出来るが飾り気のなさが質実剛健に通じるため、武士達にこの色はとりわけ愛されたと言う、茶褐色の渋い趣のある色です。
参考:美しい日本の伝統色/森村宗冬著/2013

ホテルオークラの日本紋様2

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日本の紋様は、室内装飾だけでなく外観にも用いられています。玄関横には菱紋様、ひさしには鱗紋様など、海外からの賓客をお迎えするために、日本らしい美しい紋様が選ばれ施されています。資料によるとホテルは1962年開館、設計は国内外の建築を手掛けられている著名な建築家:谷口吉生氏でした。