ホテルオークラの日本紋様

2015.1.5.

都心のホテルオークラは著名人に愛されている続けていることで有名ですが、今年9月から本館、別館共に建替えが行われます。館内は、ゆったりとした空間に、日本の伝統的な紋が室内装飾として施されています。写真のロビーには、オークラ・ランタンと呼ばれる愛称で親しまれてい「切子玉形」の照明、窓際には「麻の葉紋」透かし彫り、壁面には「四弁花紋」をつづれ錦で織り出されている。さり気なく日本文様が、魅力的に取り入れられている空間をわたしは他で見た事がない、惜しまれます。

http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/special/300project/

漆器の朱色

2015.1.1.

お正月を飾る屠蘇器や重箱には、朱色の漆器をよく見かけます。我が家の屠蘇器も、祖母から譲られた昭和30年代のモノですが朱色の漆器で松と鶴が描かれています。箱には洗朱(あらいしゅ)とあり、鮮やかさを抑え、やや黄色みを帯びた薄い朱色です。フランス語で色が薄くなったことを形容して「洗われた」というラヴェという言葉が、使われるそうですが、洗朱も同じように、やや朱色があせた意味らしい。漆器に使われる朱色はハレの日を飾る落ち着いた朱色です。

松葉色

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お正月の玄関を飾る門松。初詣に近所の神社へ行く途中、様々な門松を見かけました、写真は目黒通りのホテルクラスカの門松です。白壁の背景に銀鼠の鉢に納められた、竹、松、千両、荒縄の門松はシンプルです。門松に使われる松は、おめでたいアイコンの代表です。一年じゅう緑の色を失わない松を神聖視したからでしょうか。そして松は、日本の伝統色の「松葉色」でもあります。慣用色名の松葉色は、濃い黄緑のややくすんだ色(マンセル値は7.5GY5/4)です。

参考文献:日本の伝統色/JIS 慣用色