赤のパントンチェアー

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中央に置かれたパントンチェアーは、FRPの単一素材を射出成形した、一体型の最初の椅子。からだに沿うような快適な三次曲線の実現というだけでなく、一体成形を可能にする手法の実現としても多くのデザイナーに注目された椅子。デザイナーのヴェルナール・パントンは在学中、アルネ・ヤコブセンの助手を務めたこともあり、実験的な家具デザインを行ったことでも有名です。

シグナルレッドとも言える鮮やかな赤のパントンチェアーは、このシンプルなフロアーで、強い印象を放ち、手前にある空色の椅子よりもずっと存在感を放っている。ビビッドな赤色は、色の心理効果から、目立つ色であり進出色だから、そして綺麗なフォルムが魅力を放っている。

参考文献:美しい椅子5/島崎信+東京生活デザインミュジアム/2005年